大善寺境内での記念写真
自ら育つものを育たせようとする心、
それが育ての心である。
世にこんな楽しい心があろうか。
それは明るい世界である。
温かい世界である。
育つものと育てるものとが、
互いの結びつきに於いて相楽しんでいる心である。
倉橋惣三「育ての心」より
園の理念
幼保連携型認定こども園としての社会的責任のもと、子どもとその家族が安心して
社会生活が送れるよう、地域に根ざした、健全な園運営を行う。
時代とともに
「つながる・・・。」 人とのつながりの大切さは、東日本大震災をきっかけに改めて私たちに突き付けられた課題ではないでしょうか。現代は、核家族化、少子高齢化、地域関係の希薄化、情報電子化等が急速に進んでいます。物に溢れる豊かな社会の一方で、人と人とのつながりがどこか薄れていっているようです。利便性を追求した結果、人と人との心の通い合いが薄れ、コミュニケーションがうまく取れない。そんな「生きにくい」時代に私たちはいます。
そんな時代だからこそ、乳幼児期という人間の根っこの部分となる最も重要な時期を集団の中で過ごす重要性が今まさに高まっています。園はまさに「人と人との人間関係を築く学びの場」でもあります。宇佐こども園では昭和22年開園(宇佐保育園)の伝統を受け継ぎ、「子どものたくましい成長」を信じ、子どもの中にある「生きるちから」をひっぱりだしていくことを理念とし、時代とともに質の高い教育・保育を実践していきます。
子どもとともに
人間の根っこの部分である乳幼児期をどう過ごすか。未来を担う子どもたちにとって、とても重要なことです。子どもの能力はまだまだ未知数で、赤ちゃんの不思議な能力に感心したり、驚かされたりすることもよくあります。乳幼児期の子どもは知的好奇心に溢れていて、自分の周囲の物には何でも興味を示します。見たり、触れたり、破ったり、口に入れたりして、周囲との関係性を構築していきます。一人ひとりの興味や関心は様々で、個性は生まれ持ったものと言えるでしょう。
その個性を理解し、集団の中で様々な経験をしていくことで、子どもたちに豊かな感性が育まれていきます。宇佐こども園では安心・安全な居住空間の中、子どもを中心とした活動を充実させることで知的好奇心を満たす環境を整えています。園の先生も環境の一部となります。子どもの育ちと共に園の先生も育ち続ける共育を大切にしています。
保護者とともに
女性の社会進出が進み、共働きの家庭が増えています。仕事と子育ての両立の中で、「自分の子育てに自信が持てない。」「子どもとどう接していいか分からない。」「仕事と子育ての両立がうまくいかない。」など子育て中の保護者も多くの悩みや不安を抱えているものです。どの保護者も「いい子育てをしたい」「子どもをしっかり育てたい」「育児を楽しみたい」という思いを持っています。
しかし、子育ては奥の深いものです。なぜなら、子どもにもいろんな感情があり、うまく言葉にできなかったり素直になれなかったりと親の思うようにはいかないことの方が多いからです。カナダには“Nobody’s Perfect(完璧な親なんていない)”という親支援プログラムがあるように保育園にも保護者支援という大きな役割があります。保護者と共に悩み、考え、そして、子どもを持つという奇跡を共有できるように、宇佐こども園は保護者とともに歩んでいきます。
園の方針
★「知」「体」「徳」「食」を根幹とした、バランスのよい、情に満ちた教育・
愛保育を実践する。
★発達の連続性を考慮し、0歳から就学前までの一貫した教育・保育を行い、
「生きる力」の基礎を養う。
★子育て支援を充実し、子育てしやすい環境づくりを構築する。
知育
乳幼児期に必要なことは、様々なことを主体的に経験することです。経験という刺激を受けて、脳はよりよい発達を遂げるのです。子どもの発育発達の過程は、一人ひとり違いますが、そのプロセスはほぼ同じです。人間の脳は、3歳までと、4、5~7歳頃までに急速に発達し、10歳頃までに95%完成してしまいます。乳幼児期にどのような環境で、どのように育てられたかによって、その後の生き方が左右されると言われています。園では毎日の保育活動や、四季折々の行事等を通して子どもの「知」を育てます。
体育
子どもは誰も、小さな体と頭の中に「生きるちから」を秘めています。毎朝、園外のマラソンから始まり、運動あそびで積極的に体を動かすことで体と心のバランスが保たれ、健全な発育を促しています。運動あそびは子どもの運動能力を伸ばすだけでなく、体を刺激することで脳の働きを活性化させ、集中力や協調性を身につけることができます。リズム遊びや模倣運動から始まり、マット運動、跳び箱、鉄棒、縄跳びなど年齢に合わせ、工夫を凝らした運動あそびを継続することで子どもの「体」を育てます。
徳育
集団の力が見直されています。園では集団活動で多くのことを身につけます。ただ、この集団活動とは「仲間がいるという」意味を持っています。上の年齢の子が下の子に優しく接したり、お世話をしてあげたり、「できた子」、「できなかった子」がいても、できた子はできなかった子に教えてあげたり、逆にできなかった子はできる子に素直に聞いたりしています。子どもたち同士の活動は社会で生活していくそのものです。仲間がいることで、刺激になる、頼りになる、我慢することも覚えます。「優しさ」や「思いやり」といった人として生きていくために必要な「徳」を育てていきます。
食育
「食」は生きていく上でなくてはならないもの。当然安全なものでなければなりません。生まれてすぐにお母さんの母乳から始まり、離乳食という特別な形の食を運んでもらうというサポートを受け、自分の体を考えながら食を選んでいくようになります。発達年齢、栄養バランスを考えた体に良いものを口に運ぶことはもちろん、子どもたちに「食」に興味を持ってもらうことが大切です。野菜を育てることや、仲間と一緒に、楽しくおいしい給食やおやつを食べていく中で「食」に関する興味や意欲を高めています。
園の目標[目指す子ども像]
健康的で明るい子ども 優しくて思いやりのある子ども 自主的で自発的な子ども
健康的で明るい子ども
- 自分から元気よく、笑顔で挨拶をする。
- 歩く、走る、跳ぶなど基本的な運動能力を身につけ、戸外での活動を十分に楽しむ。
- 運動や休息、栄養を十分に取り、規則正しい生活習慣や態度を身につける。
- 家庭的な温かい雰囲気の中で情緒が安定し、意欲的に遊ぶ力を育む。
優しく思いやりがある子ども
- 相手の人権を尊重し、思いやりのある心を育てる。
- 仲間や友達を大切にし、「ありがとう」「ごめんなさい」が言える素直な心を育てる。
- 自然に親しみ、動物や昆虫、植物などを大切にする心を育てる。
- 豊かな感性を養い、思考力の基礎と道徳性の芽生えを培う。
自主的で自発的な子ども
- 自分でできることを自分から進んで行う自主自立の精神を養う。
- 充実した集団生活を経験し、社会性とソウゾウ力(想像、創造)を育成する。
- 人の話をよく聞き、自分の気持ちを分かりやすく相手に伝える能力を育てる。
- 困難なことにぶつかっても困難に立ち向かう力や我慢する力を育てる。